キミは俺をわかってない。
雅だって整った綺麗な顔をしている。
テレビに映るアイドルや俳優だってカッコイイ。
だけど……
一ノ瀬葵には誰も敵わないんじゃないかな、と思った。
それくらい彼の魅力は凄まじい。
あんなにバカにしていたお嬢様達の気持ちが分かるような気がする。
かといって、仲間に入りたいとか思わないけど―…
「なんでまだいんの?」
ふいに一ノ瀬葵の艶っぽい声が室内に響いた。
またドキンと胸が高鳴る。
でも、その胸の高鳴りには気づいていないことにした。