キミは俺をわかってない。


「あ、…トイレに隠れてたの。」


彼にときめいてることを気づかれたくなくて目線を反らした。


彼フッと笑うと色っぽい声で「おいで。」と呟いた。


目線を上げると彼は手招きをしていた。


ドキドキと激しく動く心臓にもう気づかないフリなんてできない。


そっと彼に近づき、見つめると彼の唇が重なった。


口を開け、舌を絡ませるとクチュっとヤラシイ音が響く。


一ノ瀬葵からは彼の冷たく鋭い容姿とは真逆の甘い魅惑的な香りがする。


水野くんのキスなんかとは比べモノにならないほど気持ちいい。


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