アリスズ
☆
朝日が、昇り始める。
そんな中、景子は隣領に入ろうとしていた。
ネイディと共に。
本当は、一人で行くはずだったのだが、心配した彼が一緒について来てくれたのだ。
この領土は、都の外畑と関連がある。
外畑の途中に領土の境界線があり、畑は続いているのに、管轄はこちら側の領主になるのだ。
外畑の主力は、やはり穀類。
暑さに強い穀物のようで、景子が中季地帯で見た穀物とは種類が違った。
アディマは、まだ領主の屋敷かなあ。
そして。
ここは、景子がアディマと別れた町でもあるのだ。
気になるものの、彼女は仕事中で──ネイディも一緒だった。
行かなければならないのは、この町の農村部になるので、町の中心からは少し離れることになる。
うーん。
彼らのことを気にかけつつも、景子はスタスタと目的に向かって歩いていた。
まもなく、町に入るための門が見えるだろう。
「ちょ、ちょっと待て…」
後ろから、ぜいぜいと息をきらしながら、ネイディが恨みの声をあげた。
ああ、忘れてた。
景子は、ぴたりと足を止めて振り返る。
彼は、下級貴族のぼっちゃんだった。
しかも、生まれてこの方、外畑までしか出たことがないというのだ。
1年近く、旅をしまくった景子より、体力がないようだ。
とりあえず、剣を腰にぶら下げてはいるが、ボディガードとしても頼りない感じだった。
都へのルートは、兵士がしっかり巡回しているので、非常に安全な道なのだが。
「大体、あんな固い地面で、よく眠れるな…旅慣れすぎだろ?」
ネイディの目の下には、立派なクマが2匹。
あはは。
そのクマに睨まれている気がして、景子が苦笑していると。
朝日の中に、より輝くものが目の端に入る。
あれ?
景子は、その光に視線を取られたのだった。
朝日が、昇り始める。
そんな中、景子は隣領に入ろうとしていた。
ネイディと共に。
本当は、一人で行くはずだったのだが、心配した彼が一緒について来てくれたのだ。
この領土は、都の外畑と関連がある。
外畑の途中に領土の境界線があり、畑は続いているのに、管轄はこちら側の領主になるのだ。
外畑の主力は、やはり穀類。
暑さに強い穀物のようで、景子が中季地帯で見た穀物とは種類が違った。
アディマは、まだ領主の屋敷かなあ。
そして。
ここは、景子がアディマと別れた町でもあるのだ。
気になるものの、彼女は仕事中で──ネイディも一緒だった。
行かなければならないのは、この町の農村部になるので、町の中心からは少し離れることになる。
うーん。
彼らのことを気にかけつつも、景子はスタスタと目的に向かって歩いていた。
まもなく、町に入るための門が見えるだろう。
「ちょ、ちょっと待て…」
後ろから、ぜいぜいと息をきらしながら、ネイディが恨みの声をあげた。
ああ、忘れてた。
景子は、ぴたりと足を止めて振り返る。
彼は、下級貴族のぼっちゃんだった。
しかも、生まれてこの方、外畑までしか出たことがないというのだ。
1年近く、旅をしまくった景子より、体力がないようだ。
とりあえず、剣を腰にぶら下げてはいるが、ボディガードとしても頼りない感じだった。
都へのルートは、兵士がしっかり巡回しているので、非常に安全な道なのだが。
「大体、あんな固い地面で、よく眠れるな…旅慣れすぎだろ?」
ネイディの目の下には、立派なクマが2匹。
あはは。
そのクマに睨まれている気がして、景子が苦笑していると。
朝日の中に、より輝くものが目の端に入る。
あれ?
景子は、その光に視線を取られたのだった。