アリスズ
☆
久しぶり、久しぶり、久しぶりのアディマだー!!!
本人を目の前にして、景子の尻尾は激しく打ち振られていた──尻尾があれば、の話だが。
彼女を見つめてくれる金琥珀の目は、いつも通りの優しさを含んでいて。
アディマの前に、いままさに自分がいるんだなあと、じわじわと自覚してゆく。
「ちょ…いい加減にしろよ…一体なんだってんだ」
そしてまた、連れの存在をすっかり忘れていた。
「あはは、ごめんネイディ…あ、アディマ、同じ農林府のネイディさん」
「その呼び方で人に紹介するな、田舎者。ゴホン…農林府に勤めていますネイディランフルルです」
咳払いをした後、ネイディはきりっと表情を整えて自己紹介する。
視線は、リサーに向いている。
多分、この中で一番髪が長いのが、彼だからだろう。
分かりやすいなー。
景子は、にこにこしながら、その光景を見ていた。
「ああ、農林府…」
アディマの視線は、ネイディの二の腕のスカーフに向けられた。
景子も、自分の腕のそれを彼にアピールした。
ちゃんとお仕事やってますよ、という意味で。
成果は、まあ──これから上げる予定だが。
それに、アディマは軽く微笑みながら頷いてくれた。
「これから、都入りですか? いいところですよ、都は」
にこやかにネイディは、歓迎の意を表した。
あれ?
違和感を、覚える表現だった。
まるでアディマ達が、初めて都に入るかのような意味を含んでいたからだ。
ええと。
勘違い、してる?
景子は、ネイディを見た。
彼女の知り合いなので、同じように遠くから来たと思っているのだろうか。
ダイが、微かに唇の端だけで笑った気がした。
「ありがとう、いいところだよ、都は」
アディマは、そんなネイディを傷つけないようにか、柔らかい表現で返す。
さすがは、アディマだ。
「ゴホンゴホン…彼女は、よく働いてますか?」
しかし。
そこに、リサーの余計な一言が追加され──景子は、足もとの地面が突然なくなった気がしたのだった。
久しぶり、久しぶり、久しぶりのアディマだー!!!
本人を目の前にして、景子の尻尾は激しく打ち振られていた──尻尾があれば、の話だが。
彼女を見つめてくれる金琥珀の目は、いつも通りの優しさを含んでいて。
アディマの前に、いままさに自分がいるんだなあと、じわじわと自覚してゆく。
「ちょ…いい加減にしろよ…一体なんだってんだ」
そしてまた、連れの存在をすっかり忘れていた。
「あはは、ごめんネイディ…あ、アディマ、同じ農林府のネイディさん」
「その呼び方で人に紹介するな、田舎者。ゴホン…農林府に勤めていますネイディランフルルです」
咳払いをした後、ネイディはきりっと表情を整えて自己紹介する。
視線は、リサーに向いている。
多分、この中で一番髪が長いのが、彼だからだろう。
分かりやすいなー。
景子は、にこにこしながら、その光景を見ていた。
「ああ、農林府…」
アディマの視線は、ネイディの二の腕のスカーフに向けられた。
景子も、自分の腕のそれを彼にアピールした。
ちゃんとお仕事やってますよ、という意味で。
成果は、まあ──これから上げる予定だが。
それに、アディマは軽く微笑みながら頷いてくれた。
「これから、都入りですか? いいところですよ、都は」
にこやかにネイディは、歓迎の意を表した。
あれ?
違和感を、覚える表現だった。
まるでアディマ達が、初めて都に入るかのような意味を含んでいたからだ。
ええと。
勘違い、してる?
景子は、ネイディを見た。
彼女の知り合いなので、同じように遠くから来たと思っているのだろうか。
ダイが、微かに唇の端だけで笑った気がした。
「ありがとう、いいところだよ、都は」
アディマは、そんなネイディを傷つけないようにか、柔らかい表現で返す。
さすがは、アディマだ。
「ゴホンゴホン…彼女は、よく働いてますか?」
しかし。
そこに、リサーの余計な一言が追加され──景子は、足もとの地面が突然なくなった気がしたのだった。