アリスズ
□
「アディマ!」
訪問したアディマに、ケイコはとても嬉しそうにソファから立ち上がる。
「よく来たね」
それを嬉しく思いながら、彼は我知らず瞳を緩めていた。
叔母は意地は悪いが、カンはいい。
彼女を呼び出した理由の半分は、ケイコに関することだと分かっているのだ。
だから、こうして同行してきてくれたのである。
「ダイさんが歩いてて…びっくりした」
この控え室に、ダイエルファンが来たという。
珍しいと思っていたら。
「アディマの叔母様に…お礼を言っておいて欲しいって」
ことづてを預かったの。
ケイコが、少し笑顔のニコニコを増やした。
ダイが、元気になったことが嬉しかったのだろう。
ああ。
彼の命を救ったのは、叔母だ。
義理堅いダイのことだから、礼を言わないまま素通りは出来なかったのだろう。
「叔母様が戻ってきたら、紹介するから直接言う? って聞いたんだけど…」
その笑顔に、困った色が混ざる。
それには、アディマも苦笑にならざるを得なかった。
「ダイエルファンでは…難しいだろうね」
彼が、自分からアディマに語りかけることは少ない。
アディマが、それを気にするのではない。
ダイが気にするのだ。
身分の高い者に、自分から話しかけるのは失礼なことだと思っているのだろう。
「でも、本当にダイさんが元気になってよかった…光もちゃんとピカピカしてて…あれならすぐ元気になるわ」
おや?
彼女が嬉しそうに言ったダイの様子に、アディマは少し違和感を覚えた。
そして、すぐに気づく。
彼女が、人に知られないようにしていた自身の魔法の話を、言葉の中に織り込んだことに。
また少し、変わったのだろうか。
「…何?」
じっとアディマに見つめられ、ケイコは頬を赤くしながら見上げてくる。
「僕は…どんな光に見える?」
だから──初めて、聞いてみた。
「アディマ!」
訪問したアディマに、ケイコはとても嬉しそうにソファから立ち上がる。
「よく来たね」
それを嬉しく思いながら、彼は我知らず瞳を緩めていた。
叔母は意地は悪いが、カンはいい。
彼女を呼び出した理由の半分は、ケイコに関することだと分かっているのだ。
だから、こうして同行してきてくれたのである。
「ダイさんが歩いてて…びっくりした」
この控え室に、ダイエルファンが来たという。
珍しいと思っていたら。
「アディマの叔母様に…お礼を言っておいて欲しいって」
ことづてを預かったの。
ケイコが、少し笑顔のニコニコを増やした。
ダイが、元気になったことが嬉しかったのだろう。
ああ。
彼の命を救ったのは、叔母だ。
義理堅いダイのことだから、礼を言わないまま素通りは出来なかったのだろう。
「叔母様が戻ってきたら、紹介するから直接言う? って聞いたんだけど…」
その笑顔に、困った色が混ざる。
それには、アディマも苦笑にならざるを得なかった。
「ダイエルファンでは…難しいだろうね」
彼が、自分からアディマに語りかけることは少ない。
アディマが、それを気にするのではない。
ダイが気にするのだ。
身分の高い者に、自分から話しかけるのは失礼なことだと思っているのだろう。
「でも、本当にダイさんが元気になってよかった…光もちゃんとピカピカしてて…あれならすぐ元気になるわ」
おや?
彼女が嬉しそうに言ったダイの様子に、アディマは少し違和感を覚えた。
そして、すぐに気づく。
彼女が、人に知られないようにしていた自身の魔法の話を、言葉の中に織り込んだことに。
また少し、変わったのだろうか。
「…何?」
じっとアディマに見つめられ、ケイコは頬を赤くしながら見上げてくる。
「僕は…どんな光に見える?」
だから──初めて、聞いてみた。