アリスズ
☆
そして。
ついに、アディマからのお呼び出しとやらがやってきた。
どうやって、二人を抱えていこうかと悩んでいた景子は、それが杞憂であることが、すぐに分かった。
到着した荷馬車から、梅と菊が現れたのである。
「チビたちを迎えに来たよ」
「こんにちは、ハレくん、テルくん」
二人がいるだけで、なんと心強いことか。
ハレは梅に、テルは菊に。
最初から、そこが収まる場所であったかのように抱き上げられるのだ。
ふにゃふにゃと、ハレが梅の腕の中でみじろいだ。
「ふふふ、何かをしゃべろうとしているのかしらね」
梅の母性的な色が、ほのかに浮かび上がる。
はぁ。
それに、ゆっくりと景子はため息をついた。
何だか、安心してしまったのだ。
リサーには脅しをかけられてたし、元々この子たちは、アディマと結ばれる口実のような存在だった。
産んでしまった今は、もはやそんな考え方は出来なくて。
ただただ、この子たちを元気に育てたい。
そう思っている。
だが。
アディマの立場を考えると、景子の意見が簡単に通るとも思えなかった。
だから、いろいろ不安を抱えていたのだ。
でも。
この子たちの父親は、アディマだから。
景子の好きになった彼だから。
きっと、この子たちに悪いようにはならないんじゃないか。
そう、思った。
そこに、梅と菊が来てくれたのだ。
景子の恐れるものが、裸足で逃げだしそうなゴッドマザーたち。
大丈夫。
アディマに、息子たちを見せに行こう。
そんな気持ちで、景子は荷馬車に乗り込んだのだった。
そして。
ついに、アディマからのお呼び出しとやらがやってきた。
どうやって、二人を抱えていこうかと悩んでいた景子は、それが杞憂であることが、すぐに分かった。
到着した荷馬車から、梅と菊が現れたのである。
「チビたちを迎えに来たよ」
「こんにちは、ハレくん、テルくん」
二人がいるだけで、なんと心強いことか。
ハレは梅に、テルは菊に。
最初から、そこが収まる場所であったかのように抱き上げられるのだ。
ふにゃふにゃと、ハレが梅の腕の中でみじろいだ。
「ふふふ、何かをしゃべろうとしているのかしらね」
梅の母性的な色が、ほのかに浮かび上がる。
はぁ。
それに、ゆっくりと景子はため息をついた。
何だか、安心してしまったのだ。
リサーには脅しをかけられてたし、元々この子たちは、アディマと結ばれる口実のような存在だった。
産んでしまった今は、もはやそんな考え方は出来なくて。
ただただ、この子たちを元気に育てたい。
そう思っている。
だが。
アディマの立場を考えると、景子の意見が簡単に通るとも思えなかった。
だから、いろいろ不安を抱えていたのだ。
でも。
この子たちの父親は、アディマだから。
景子の好きになった彼だから。
きっと、この子たちに悪いようにはならないんじゃないか。
そう、思った。
そこに、梅と菊が来てくれたのだ。
景子の恐れるものが、裸足で逃げだしそうなゴッドマザーたち。
大丈夫。
アディマに、息子たちを見せに行こう。
そんな気持ちで、景子は荷馬車に乗り込んだのだった。