アリスズ
☆
ハレイルーシュリクス=イデアメリトス=ラットフル18。
テルタリウスミシータ=イデアメリトス=アウラピス18。
突然。
景子にとって、子供たちの名前が仰々しいものになった。
アディマが、イデアメリトスの名を、双子の子に与えたのだ。
たったそれだけで、景子の手から子供たちが離れた気がした。
ハレとテルに、変わりないはずなのに。
「イデアメリトスの君…」
梅が、うやうやしく頭を垂れる。
「今後、この御子たちは、どちらで育てられますか?」
景子が。
母親が聞けないでいることを、梅はすっぱりと問いかけた。
その問いに、アディマはすぐに答えなかった。
ゆっくりと、景子の方を見る。
その瞳は、優しかった。
不安で凝り固まっている彼女に、優しく微笑みかけるのだ。
「ケイコ…」
質問は梅からだったが、言葉は景子に向けられた。
「姑息な話に聞こえるかもしれないが…大義名分は、全部用意した」
そして、不思議な前置きの話を始める。
大義名分?
「リサーも納得させた」
ええと。
「だから…」
何を。
いや、何処へ。
アディマは、いま何処へ向かう道の話をしているのか。
「だから…正式に僕の妻として迎えたい」
ピシャーッドンガラガッシャンドドーン!
景子の頭の中に、特大の雷が落ちた。
もはや。
子供と暮らせることだけを、最後の望みとしていた景子の前に、とんでもない椅子が置かれたのだ。
これに、座れと。
アディマは、彼の隣にある椅子に座れと、言っているのだ。
ハレイルーシュリクス=イデアメリトス=ラットフル18。
テルタリウスミシータ=イデアメリトス=アウラピス18。
突然。
景子にとって、子供たちの名前が仰々しいものになった。
アディマが、イデアメリトスの名を、双子の子に与えたのだ。
たったそれだけで、景子の手から子供たちが離れた気がした。
ハレとテルに、変わりないはずなのに。
「イデアメリトスの君…」
梅が、うやうやしく頭を垂れる。
「今後、この御子たちは、どちらで育てられますか?」
景子が。
母親が聞けないでいることを、梅はすっぱりと問いかけた。
その問いに、アディマはすぐに答えなかった。
ゆっくりと、景子の方を見る。
その瞳は、優しかった。
不安で凝り固まっている彼女に、優しく微笑みかけるのだ。
「ケイコ…」
質問は梅からだったが、言葉は景子に向けられた。
「姑息な話に聞こえるかもしれないが…大義名分は、全部用意した」
そして、不思議な前置きの話を始める。
大義名分?
「リサーも納得させた」
ええと。
「だから…」
何を。
いや、何処へ。
アディマは、いま何処へ向かう道の話をしているのか。
「だから…正式に僕の妻として迎えたい」
ピシャーッドンガラガッシャンドドーン!
景子の頭の中に、特大の雷が落ちた。
もはや。
子供と暮らせることだけを、最後の望みとしていた景子の前に、とんでもない椅子が置かれたのだ。
これに、座れと。
アディマは、彼の隣にある椅子に座れと、言っているのだ。