加納欄の噂 シリーズ20
加納欄の噂 シリーズ20
それに気づいたのは、いつからだろう。

すごく前でもないんだけど。

昨日今日でも、ないような……(-.-)

何て言うか、あたしを見る皆の目線が、いつもと違うような気がしたのだ。

何人かと話してて、あたしと目が合うと、慌てて顔を背けたり、目線そらしたり……。

それって、怪しいよねぇ(-.-)

さっきも歩いてたら、3人かたまって話してるから声かけようとしたら、慌てて退散しちゃったし。

祥子先輩に聞いてみようかな。

でも、祥子先輩普通に話してくれてるし。

あたしの、思い過ごし?

まぁ、気にすることもないんだろうけど。

なんだろう。

あからさまのような気もするんだよなぁ。

「考え事?」

タイミングよく、祥子先輩が話し掛けてきた。

「あ、祥子先輩。最近署内の雰囲気微妙じゃありません?」

「そぉお?」

祥子先輩には、わからないようだった。

「それより、あの後どうしたのよ。2人きりにしてあげたんだから、ちょっとは、何かあったんでしょ?」

「あの後?あぁ、どうしたもこうしたもないですよ」

「なによ。また、何もナシなの?」

「何もナシって……。祥子先輩達は、何かあったんですか?」

「あ、あたしのことは、い、いいのよ!あんたよ、あんた達を心配してんのよ」

そう言うと、祥子先輩は、突然顔を真っ赤にした。


いいなぁ。


ハァァァァ〜。


ため息をこっそりついた。


あたしは、自分でケジメつけちゃったし。


祥子先輩だけでも、幸福になってくれれば、それでいいや。


「う〜っす」

そこに、大山先輩が、現れた。


ドキッ。


あたしの心臓が、正直に響いた。

「おはようございます」

ザワザワ。

あたしの周りで、話し声が、高鳴った。

「昨日、俺どうした?」

近くで、ホントに?とか、絶対そうだってぇ。

と言う、声が、嫌でも聞こえてきた。


もぉ、なんなのよ!


あたしは、噂話をしている、女性人達を、睨みつけた。

祥子先輩は、大山先輩へ呆れ顔を見せて、仕事に取り掛かろうとしていた。


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