蜜柑寮より愛を込めて
しん…としている。
やはり誰もいないらしい。
(えっと…あたしの部屋は303…。角部屋かな?)
柚実は、秋菜に言われた自分の部屋の番号を探す。
階段を上り、廊下を歩く。
301…302…303!
見つけた。
やはり一番奥の角部屋だった。
3階は、この3部屋らしい。
柚実は、さっきとは反対のポケットから鍵を取り出した。
―カチャ…
ドアを開けた。
うわぁー…。
実柚は驚いて瞳を開く。
…予想以上に広い。
家具もとても充実していて、シンプルなつくり。
とても過しやすそうだ。
この部屋は、学生用の部屋なのだろう。
2階にも同じような部屋が3部屋あった。
そして、1階はキッチンやリビング・雑談室などの共有スペース。
この寮は、3階建てだから、学生の部屋は計6部屋のようだ。
(あたしを入れてぴったり6人か…。)
柚実は、持っていた荷物をベッドの上に置くと、部屋についているお風呂やトイレを見て回る。
キッチンは共同だからついていないが、どこも本当に綺麗だ。
柚実は、嬉しくて、テンションが上がってきた。
(よし!!頑張るぞー!)
腰のあたりで小さくガッツポーズ。
そして、鞄からエプロンを取り出し、部屋を出て行った。