蜜柑寮より愛を込めて
「あっれ~?淕(リク)なにやってんの~??」
次の瞬間、また別の声が聞こえた。
柚実は、声のする方を見る。
また…男だ。
今度は、茶色く明るい髪をした美形。
「淕が女の子連れ込むなんてめっずらし~♪」
「…?麗滋の女じゃないのか??」
「ん?違うけど??」
麗滋と呼ばれる男が柚実の顔を覗き込む。
(ち…近ッッ!!!!)
柚実は、あせって真っ赤になった顔を背ける。
「かっわい~。何何?この子俺がもらっちゃっていいの?」
(も…もらう!??)
「ちょっと待て。まだ誰の女かもわかってない。それにこいつ、鍵持ってたんだ。また盗まれたんだよ。」
淕が再び、柚実を睨み、リビングに入って行った。
(あ…あたしが何したっていうのよ――――!!)
「ちぇっ。」と言って麗滋も続く。
「ん…?淕ー。これ何??」
麗滋は、柚実の買ってきた食材を指指して言った。
「あ!!いけない!!」
柚実が声を上げる。