蜜柑寮より愛を込めて
「た…卵大丈夫!??」
柚実は、あわてて袋の中を見る。
淕に驚いた時、袋を落としていたのだ。
「あ。大丈夫だ…。お肉も買ったんだった!!冷蔵庫入れなきゃ!!」
柚実は、買ったものをすべて袋から出し、テキパキと冷蔵庫に入れていった。
そして、柚実はくるっと男たちの方を向いた。
「ちょっと!!あんったたち何なのよ!!あたしはね、そのうち帰ってくる“お嬢様”方に、ご飯作るっていう仕事があるのよ!!何の鍵探してんのか知らないけど、不法侵入よ!!不法侵入ッッ!!」
柚実は、一気に文句をいうと時計を見た。
6時…。
やっばッッ。
柚実は、テーブルの上に置いておいたエプロンをすばやくつけて、手を洗い始めた。
「…おい。」
淕に呼ばれる。
「うるっさい!!」
淕をキッと睨みつけて柚実は言った。
もうこんなやつらにかまってる暇はない。
あたしは、仕事しなくちゃいけないのよ!!
柚実はそう思いながら包丁を手に取った。