蜜柑寮より愛を込めて
「あたしは…学長先生に雇われたの。」
『は?』という表情で、男たちは柚実を見る。
「あたしは―…あんたたちのご飯を作るために、ここで住み込みで働くのよ!」
柚実のこの言葉に、しばし沈黙が流れる。
「…。」
「…そーゆうことか…。はっ。秋菜が俺たちの願いを叶えたってわけだな。」
麗滋が苦笑いしながら言った。
「…え??」
「君が来る前、いろんなおばちゃんがご飯作ってくれてたんだけど、来る人来る人、俺らがすぐ追い返しちゃったんだよね。」
「だってさぁ、おばちゃんなんて嫌でしょ??だから…秋菜ちゃんに…ね。」
「もっと若い女がいいって言ったんだよ。」
「まさか、本当に若い女捜してくるとは思わなかったけどな。」
男たちは、顔を見合わせてニヤリと笑った。
(ななな…なに!??)
「秋菜もやってくれたよなー。」
「本当本当。」
「やっと、うまい飯食べれそうだ。」
「深憂は、女よりそれかー!!」
げらげらと笑う声が柚実の頭に響く。
そして、男たちが柚実に言った。
『よーこそ、蜜柑寮へ。』