蜜柑寮より愛を込めて

「食った食ったぁ!!」

「ごちそうさまー。」

一通りご飯を食べ終わると、男たちはさっさと、リビングに向かった。

(へ??…これ…あたしが全部片付けるの!??)

「ちょっ―…。」

(ちょっと待ってよ。片付け手伝いなさいよ!)といいかけて、柚実は言葉を呑んだ。

よく考えたら、これは自分の仕事…。

手伝えと要求するわけにはいかない。

仕方ない…。

柚実はそう思い、食器をシンクに運んだ。

(さて…やりますか。)

本日、2回目の皿洗い。

後ろでは、テレビをギャァギャァ言いながら見てる楽しそうな寮生の声。

こんな状況での皿洗いほど面倒なものはない…。

しかし、それでも仕事は仕事。

やるしかないのだ。

柚実は、すすいだ皿を水切り台の上にのせた。

すると、横からひょいっと手が伸びて、その手が皿をとった。

「え―…??」

柚実が横を見ると、そこには淕がいた。

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