蜜柑寮より愛を込めて

「あ…あたしやるからいいよ!!先にリビング行ってて。」

柚実は、あわてて淕に言った。

「…。」

無言で皿を拭く淕。

(な…何こいつ。無視!??…拭いてくれるのは嬉しいんだけど、絡みづら…。)

柚実は、仕方なく「ありがとう。」と言って、皿を洗うのに専念した。

沈黙が続く…。

どうしよう…なんか話すべき??

でも、こいつ絡みづらいし…。

柚実は、淕をちらちらと見る。

…そういえば…こいつってよく見るとかっこいいよなぁ~。

まつげめちゃくちゃ長いし、顔のパーツ素晴らしすぎるし…。

うらやましー…。

柚実は、そう思いながらため息をつく。

…ってか、ここの寮生みんなすごい美形だよなぁ。

いったいどんな遺伝子が入ったらああなるんだろう??

なんか、本当にあたしだけ人種違うよ…。

もう…やんなっちゃう。

…本当に…かっこいい―…。

「…い。…おい。」

「へ…え!??」

…自分の世界に入っていた柚実の顔のすぐ近くに、淕の顔。

柚実は、一瞬にして、顔を真っ赤に染め、即座に視線をずらした。

(近い近い近い近――――いッッ!!)

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