蜜柑寮より愛を込めて

「順番的に次は俺かな?」

これまた長身の男が眼鏡をくいっと上げた。

「俺は関谷律(セキヤ リツ)。21歳。今3年だ。よろしく。」

律は柚実に、にーっこりと微笑んだ。

…なんだろう…。

この笑顔は危ない気がする…。

柚実は、なぜだかわからないがそう思った。

「お…同い年だね!!よろしく。」

律は…絶対に頭がいい…というか、頭の回転が速そうだ。

そして、悪知恵も相当利くだろう。

眼鏡の奥で光る髪の毛と同じ黒い瞳が、そんな風に感じさせた。

「そういえば、啓君と深憂さんは何歳なんですか??」

啓は年下で、深憂は年上だろう…柚実はそう思って聞いた。

「僕22!!4年生~♪」

「20…。2年だ。」

「…。!??」

残念。

人は見かけによらないもの。

「ははっ。びっくりだろ??」

柚実が淕の次にこの蜜柑寮で見た男だ。

「大田麗滋(オオタ レイジ)。22歳。よろしくッッ♪」

にかっと白い歯が柚実に向けられる。

(うわぁ…かっこいいなぁ。)

麗滋は絶対プレイボーイ。

女慣れしてる…一言でいえばそんな感じの軽い見た目と雰囲気だ。

「よ…よろしくお願いします。」

柚実も麗滋のあまりのかっこよさに心臓がドキドキだった。

「ちょっと~。一緒に暮らすんだから敬語はなしー!!あと、みんな呼び捨てねっ♪」

突然近づく麗滋の顔。

ドキドキドキドキ…。

(初めて会った時もそうだったけど…この人なんでこんな顔近いの―――!!!!!)

蜜柑寮の美男子たちに柚実はドキドキしっぱなしだ。

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