紅
たしかその女「紅い桜」って呼ばれてる。
血だらけになりながらも華麗に仕事をこなし、
どんな窮地に立っても負けることはない。
鬼兵隊に所属していてる女は2人しかいないはず・・・。
紅い弾丸の来島また子と紅い花の女がいる。
「・・・ッチ」
紅桜か?
「どうしたの?土方さん?」
俺がいきなり舌打ちしたのを驚いたのか・・・。
あいつのさっきの目、そこいらの浪士の目よりも鋭かった。
吸い込まれそうな鋭い視線にこの俺が戸惑いを見せた。
「・・・いかれてやがる」
土方は小さく呟きながら、ため息を漏らした
◆◇◆◇◆◇◆
そのころ、私は町はずれの墓地に来ていた。
「母さん、父さん。今年も来た」
毎日、毎日、ここへくる
何にも用がないのにここへくる。
なんで、ここにくると悲しい気持ちになるのだろうか。
感情などとうの昔に捨てられたはずなのに・・・。
父さんや母さんは今の私を見ればなんというだろうか。
人を斬る。
世界を壊す。
大切な人を殺したこの世界に終わりを告げる。
もし、私が普通の女で普通に働き、
普通に恋愛をしていたなら
父さん、母さんはなんというだろうか。
「あれー?さっきの小娘じゃないですかぃ」
小娘。
それは私のことか?
「・・・貴様は誰だ」
私は己の刀の柄に手を置き、声のするほうへと気配を向けた。
「そんな睨まれちゃかなわねーな」
私が見ていたほうと正反対のほうから声がする。
私が逆を突かれる、そんな甘っちょろい剣士ではないはず・・・。
いままでいくつもの戦を通り抜けてきた。
だから気配に気づくことも当然できるはずなのに
どこぞの男に逆をつかれた。
これほどの屈辱はない。
私は自分の下唇きつく噛み
「・・・何者だ」
するどく吼えた。
「俺がわからねーんですかぃ?」
血だらけになりながらも華麗に仕事をこなし、
どんな窮地に立っても負けることはない。
鬼兵隊に所属していてる女は2人しかいないはず・・・。
紅い弾丸の来島また子と紅い花の女がいる。
「・・・ッチ」
紅桜か?
「どうしたの?土方さん?」
俺がいきなり舌打ちしたのを驚いたのか・・・。
あいつのさっきの目、そこいらの浪士の目よりも鋭かった。
吸い込まれそうな鋭い視線にこの俺が戸惑いを見せた。
「・・・いかれてやがる」
土方は小さく呟きながら、ため息を漏らした
◆◇◆◇◆◇◆
そのころ、私は町はずれの墓地に来ていた。
「母さん、父さん。今年も来た」
毎日、毎日、ここへくる
何にも用がないのにここへくる。
なんで、ここにくると悲しい気持ちになるのだろうか。
感情などとうの昔に捨てられたはずなのに・・・。
父さんや母さんは今の私を見ればなんというだろうか。
人を斬る。
世界を壊す。
大切な人を殺したこの世界に終わりを告げる。
もし、私が普通の女で普通に働き、
普通に恋愛をしていたなら
父さん、母さんはなんというだろうか。
「あれー?さっきの小娘じゃないですかぃ」
小娘。
それは私のことか?
「・・・貴様は誰だ」
私は己の刀の柄に手を置き、声のするほうへと気配を向けた。
「そんな睨まれちゃかなわねーな」
私が見ていたほうと正反対のほうから声がする。
私が逆を突かれる、そんな甘っちょろい剣士ではないはず・・・。
いままでいくつもの戦を通り抜けてきた。
だから気配に気づくことも当然できるはずなのに
どこぞの男に逆をつかれた。
これほどの屈辱はない。
私は自分の下唇きつく噛み
「・・・何者だ」
するどく吼えた。
「俺がわからねーんですかぃ?」