レイン
始まり
ラフな格好をした男が何かを探すように街を眺めながら歩いている。不意に立ち止まり周りを見渡す。
高層ビル、大渋滞、人混み、雑音、女子高生、ホームレス、ゲームセンター、
昔の面影はもうない。あぁ、このビルの場所は昔なんだったけな?
『おっさん!邪魔だよ!』
急な声に驚き振り向いたが、そこにいたのは体中を真っ黒に日焼けした女子高生が立っていた。
「邪魔だって言ってんだよ!退けよ!」
そう言い残すと彼女は、俺を突き飛ばして何事もなかったかのように歩いていった。

俺が夢見た未来とこんなにも違ってしまったとは。俺たちの未来は、月に移民したり、ロボットが町中を歩いていたり、悪い奴をやっつけてロボットが地球を守っているものかと思っていた。
それがなんだ現在は?
化け物みたいな顔した女がケータイを片手に歩き、人様を邪魔扱いしていく。

誰がこんな世の中にしたんだ?今の大人は何をして………。あぁ、俺が言えた身分じゃない。いや、俺みたいな大人が増えたからこうなったのか。

俺は何をしてきたのか。
そうだ、こんな事をしている場合じゃない、小学生の頃の同窓会に行く途中だった。
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