二人だけの秘密
慣れない場所。
地下から地上へと階段を駆け上る。

どっち?
JRはどっちにあるの?


走りながら私は
人の通りが多い商店街を駆け抜けた。


きっとこの先に駅があるはず。

「ここから商店街が見えるよ」
澤辺さんがそう言ってたから。

5分程走った。
もう汗だく。

「澤辺さん今私横断歩道で信号待ちしてます。」
息も切れ切れだった。

「うん。横断歩道の手前にいるよ」

私は澤辺さんを探した。


いた!
道の向こうに。

澤辺さんが。


信号が青に変わり
私は澤辺さんに駆け寄って行ったの。


「お疲れ様です。」
私は汗だくでメイクも剥がれ落ちて最悪の状態。
こんなとこ澤辺さんに見せたくなかったな。


もう会った瞬間
ドキドキしてるよ私。


澤辺さんのこと何度も見上げて見てしまう。
長身の澤辺さん。

今日は暑い日で
シャツを腕まくりしてて・・・
シャツから見える
腕から手がまたなんだかセクシーに見えちゃう。

「お茶しよっか
?暑いでしょ?」
時計を見るともう19時を少し過ぎたところだった。

「すみません。ちゃんと駅確認してればよかったです」
私はもったいないことしたと後悔した。

二人でアイスティーを飲んで
なんか変な感じだね。
って最初に話をして。
真面目に仕事の話もして・・・。

楽しい時間はあっと言う間だった。

澤辺さんは時計を気にしながら
「時間無さ過ぎだね。まぁ次もあるし・・・
そろそろ出ようか」
と口にした。


次があるんだ。
また会えるんだ。
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