二人だけの秘密
「はい。じゃぁ先に・・・」


「あっ。これ使っていいから」
澤辺さんはタオルとボディーソープを手渡してくれた。


バスルームに入って
シャワーを浴びる。
澤辺さんから手渡されたボディーソープは
きちんと旅行用のボトルに詰め替えられていて
きっとそれは奥さんが澤辺さんの為にしたんだろうな。
って思った。

そしてそれはこの前一緒に過ごした時の
澤辺さんと同じ匂いだ。

私も
澤辺さんとお揃いの香りだ。


シャワーを浴びた後。

問題が起こった。


こういう場合・・・・
タオル一枚で出るべきか。
それとも洋服を着て出るべきか・・・・。

どうしよう。
悩む。


うーーーーーーーーーーーーーん。

タオル巻いて出るの
戦闘体制入ってます。
って感じだよね。
なんかこなれた感じって思われてもイヤだし。

迷った挙句
私は着ていた上着は脱いでタンク。
下は普通に履いていた状態で出たの。

部屋はもう薄暗くされていて
澤辺さんはTVを見ていた。

「お先です。ありがとうございました。」
そう言うと

「じゃぁ俺も・・・」
と言ってシャワールームに入って行った。

私はドキドキしながら
またしても悩んでいた。

そうやって澤辺さんを待っておけばいいの?

ベッドにもぐりこんで?
それとも普通に待って?

とりあえず
椅子に座ってTVを見て待つことにした。


シャワーの音が鳴り止む。



ガチャ・・・
澤辺さんが出てくる。


恥ずかしくて
見れない。


「安藤さん?」
そう呼ばれて振り向くと
そこには上半身裸の澤辺さん!


私は一瞬見ただけで
すぐに背を向けて
「何でしょう?」
と答えた。

澤辺さんは少し笑いながら
「こっちおいで」
と呼んだ。


私は背中を向けながら
「いやっ。なんか照れますね。」
アハハ。
笑ってごまかしていると
澤辺さんが後ろから抱きしめた。
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