二人だけの秘密
当日。

全国から数名が会議の為に招集されていた。

会議と言っても堅苦しいものではなく
どちらかと言えば意見交換会のようなものだった。

システム運用において最前線で活動している私達への
ヒアリングと私達からの要望を伝えるような会議たったの。


でもその会議の中には澤辺さんはいなかった。

途中メールが入って
社内にはいるけどシステム関連のことで別途打ち合わせ中。
とのことだった。
この会議には参加しないようだ。

夕方には会議も終了し、
私達は会社を出る。

一緒にいた後輩たちは
電車の時刻をチェックしていた。

「安藤さんは今日泊まりですか?」
そう聞かれドキッとした。
普段の出張では日帰りで帰るのがモットーな私。
何か疑われていないかとヒヤヒヤした。

「うん。家までまた遠いし。
だったら一泊して帰ろうかなぁって・・・」
たしかに家まで遠いのだ。

後輩たちはそのまま
「そっかぁ」と軽く流してくれた。

私は後輩を駅まで送り、
そのまま駅前のビジネスホテルにチェックインした。
時刻は17時。

部屋に入り
澤辺さんにメールを打つ。

【今ホテルに着きました。】

澤辺さんから数分後に着信がある。

【まだちょっと仕事時間かかりそう。
18時には迎えにいけそうだから着いたら連絡します】

とのことだった。

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