二人だけの秘密
「今から飯行こうと思って・・・
オススメの洋食屋さん。
混んでなければいいけど」

私は知っている人に出会わないか。
それだけが気がかりだった。

「大丈夫なんですか?知ってる人とか・・・」

「うん。ちょこっと離れてるところだし。多分ね」
「そうですか・・・」
でも内心ドキドキしていたの。

運転している澤辺さんは初めて。
うん。
やっぱ素敵だ。

少し小雨の中
車は海沿いを走っていた。

「うわっ。海。
こっちで海見たの始めてかも」
「車無いとこっちまで来ることないもんね」

数分走ったところで
その洋食屋さんに到着した。

お客さんは既に数名。

私達は
いちばん目立たない
柱の影になった席についた。


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