短編:星夢
 
美波が、さざ波だという事は

指輪を見たときに知っていた。




それなのに、

その綺麗な姿に惑わされ

全てを許してしまった。




頬を赤くして

胸を焦がして

誰より乙女に恋をした。









まるで

おとぎ話のよう。


王子様が

私を村から連れ出して

お城のパーティーに呼ばれて

舞踏会を抜け出して

そっとキスをした。




すてきなおとぎ話なのに。





どうして物語は

ここで終わってくれないの?


 
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