短編:星夢
ねぇ、王子様


私はもぅ

お姫様じゃなくなってしまった



あなたを見つけることも

出来なくなった





それでも

あの時

あの瞬間だけは

私は確かにお姫様だったよ



あなたが

私を迎えに来てくれて

抱きしめられる温もりを

教えて貰ったのは初めてで



あの時の私は本当に

王子様に救われた

お姫様みたいだった




どうして物語は

そこで終わらなかったのかな

おとぎ話はいつも

幸せに幕を閉じるのに。


 
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