私とあなたのMemory
そして今、私はどうすることもできないまま
学校へ行っている。


授業中でも、リョウの事ばかり考える。


友達と話す気力も今の私にはない。



そんな私を心配した奈々が、かけてくれた言葉も耳に入らない。




一日中ため息をついてる。



そして、ある日

私の態度に腹が立ったのかとうとう奈々が切れた。



「なんなの!?中谷がいなくなったからって毎日毎日暗いオーラ出しちゃってさ!!」



クラス中が、注目する。


「別に、北海道で暮らしてるってわかったんならなにも悩む事ないじゃん!!」


こんなに怒鳴られたのは初めてだ。


「そうやって、私情を学校まで持ってきて、教室の雰囲気まで暗くしないで!!
 ののかが、どんなに辛くてもうちらはなにもできないんだから!!グズグズしてるんだったら、北海道にでも行けばいいじゃん!!」




そう言って、教室を出て行ってしまった。


クラス中が、ポカンとしている。




今の私は、その後ろ姿を追いかける事ができなかった。



確かに、そうだった。


たとえ、辛い事があっても
それはあくまで私情。



奈々は関係ない。



なのに、私は気を使ってくれた奈々を無視して
自分だけ、不幸だって思いこんでた。



うじうじした性格が大嫌いな奈々が怒るのもわかる。




ごめんね。


心でつぶやいても、誰の耳にも届かないんだ。


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