私とあなたのMemory
あ・・・


すぐに私に気づいた。


でも、奈々は目をそらした。


「あ・・・あのさ・・」



私の話が聞こえているのか、いないのか奈々は無言で帰り支度をする。



「この間は・・・ごめん。」



真白な頭の中からなんとか言葉を絞り出して言った。



でも、奈々の反応は冷たかった。


「なんで『ごめん』なの?」


冷静に、言う。


「え・・・?」


いきなりの質問に、戸惑い、何も言えなくなる。



「だから、なんでごめんなの?何がごめんなの?」



ズイズイと、質問を投げかける奈々。


「だ・・・だから、うじうじしちゃってたじゃん・・・。」



「誰が?」


「わ・・・わたしが。」


こんなに恐い顔をしている奈々は、初めてだ。

いつもは明るく、ニコニコしている。



「それで、ごめんって?」


「・・・うん・・。」


声がどんどん小さくなっていく。



「で、誤ってどうしたいの?」



冷たい。
目に表情はない。


「また・・・元の通りに戻りたい。」


私は自分から目をそむけて言った。





「ばっっかじゃないの!!」



え・・・・?
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