私とあなたのMemory
「無視されるんです。」
「え・・?ごめん、聞こえなかった。」
この態度に、イラっとくる。
「だから、謝ったのに、無視されたんですよ!!」
強い口調になる。
「そーなんだぁ~。」
他人事のような反応・・・・。
親が、待合室にいるからって・・・・
バカにしてんの?
「意味わかんない。なにがしたいんですか?」
イスから立ち上がり、怒鳴った。
すると、咲百合も立ち上がった。
そして笑顔で、言った。
「じゃぁ、その位の口調でその友達に思ったこと言ってきな。」
満足そうな顔で、私の目を見ている。
絶対そうしなよ、成功するから。と目で言っている。
全身の力がフっと抜けた。
安心したのかな?
固まっていた、肩の荷がおりたような気がした。
そうだった。
なにを怖がっていたんだろう。
最初から・・・・
最初から、自分の気持ちを言えばよかったんだ。
いい訳じゃなくて、「自分のキモチ」
「ごめんね」っていう、後退した言葉じゃなくて
「次から、なおすよ」
って、いう前進する言葉。
前向きな姿勢がなかったんだ。
「どうしたの?ボーっとして?」
咲百合が顔をのぞきこむ。
「あ・・・咲百・・じゃなくて先生。ありがと。」