私とあなたのMemory
するとそこには、あの転高生が立っていた。


「あ、ごめんね。」


「こちらこそ。」


転高生は、そのまま行ってしまった。



私も、そのまま国語の教室(この場合、2-4)に行った。



選択科目は、唯一全クラスが一緒に行う授業だ。


だから、他のクラスに人とも一緒に授業が受けられる。




まだ、教室に先生は来てないみたいだ。



いつもの、自分の席に座る。


窓側一番後ろ。


自分的には、結構気に入っている。




先生にあんま、当てられないしね。



空、きれいだな・・・・。



雲ひとつない、透き通った青。



「隣いい?」

ボーっと窓の外を眺めていると、誰かが話しかけてきた。



あんまり、聞き覚えのない声。



隣って・・・自分の席は決まっているはず。



よく意味の分からない質問に、答えず振り返るとそこには転高生がいた。



「あ・・・。」


あまりにも、驚きで言葉が出ない。



「いい?」


ただ素直にそう聞いてくる彼に、私は「うん。」としか言えない。



なんで、この席?



「他にどこも開いてないからだよ。」



私の心の中を察知したかのように、
聞いてもいないのに、答える転高生。


この人すごい。


超能力者・・・・なわけないか。



「あ、そっか。」


周りを見渡せば、確かにそうだ。


この席意外に空いている席はない。



自分のアホさに、情けなくなった。




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