私とあなたのMemory
廊下の窓の外を眺めながら、言った。


彼の表情は、悲しそうなんかじゃなくて・・・・。



とても、平静だった。



この人、何言ってるの?


「そんなハズないよ!!まだ17だよ!?車なんて運転できない!!」



思わず、叫んだ。


でも、今は周りを気にしてる暇はない。


幸いなのか?先生が廊下にくることはなかった。



「そうだよ。でも、運転したんだ。」


・・・・もしかして・・・。





「無免許・・・・運転・・?」




「そう。」


彼は静かに言った。




何?ありえない。


なんで、無免許で運転なんかしてんの?


しかも、「リョウ君元気?」って・・・・。




なんでそんなに平気で言えんの?



「オレも、急いでてね。どうしても行かなきゃならない用があったんだよ。」



勝手に話しだした。



「だから、親の車勝手に乗って行った。」



「なん・・・で・・・?運転できるわけない。」



「できるよ。友達の車で運転した事あるし。」




コイツ、何回も無免許運転してたんだ。



「信号も見てる場合じゃなかった。」


それに加えて、信号無視までしてたんだ。



「そしたら、制服の男が出てきて。」



「引いたんだ。」


私は、下を見ながら言った。


「うん。で、どうしようもなくて急いでて。そのまま行った。」




どうしようもない・・・?


どうしようもなくないでしょ・・・。



すぐに、救急車呼べばよかったのに。


コイツ、私情で人の事引いても、急いでるって理由でそのまま行っちゃうんだ。



ありえない。



もう、だめだ。



私の怒りは、一気に爆発した。

< 54 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop