私とあなたのMemory
廊下で話した時よりかは落ち着いてる。


あれだけ、何を言ってやろうか迷ってたのに
いざとなったら言葉が、思い浮かばなかった。



冷静でいられる自分にびっくりだ。



「へぇ~俺のせい?」


「そうだよ。」


黒木は、ドアに背中をつけて座った。


私は、その正面に立って行った。



「あ~なるほどね~。」


ニッコリとした黒木の裏には・・・何かある。


「今井ってさ、リョウ君の事好きなんだ。」



今度は、挑戦的な目で言う。


「こんなに、心配しちゃって。」


「だから?別に、それが?」


どうせ、気づかれてるって思ってた。


ただの幼馴染が、ここまでするハズないし。

そんなこと、別にどうでもいい。



「あれ?意外に冷めてるね。もしかして、フラれちゃった?」


コイツは・・・・もういいや。


深く考えるだけムダだ。



「そんな事どうでもいいから。なんで、急いでたのかいいなよ。」



「なんでって・・・・それは・・・。」



と、突然黒木が両腕を掴んできた。



「油断したね。男と2人きりなのに。」


ニヤリと、笑う。


「嘘・・・ついたの?」


「さぁ・・・。」


そして、掴む力を強める。

「痛っ。」



「あ、ごめんね。でも、今井可愛いし襲いたくなちゃった。」


顔を近づける。

私の顔と30センチほどの距離になった。


30センチって、意外に近い。


「キスしよーよ。」


また、明るい顔になっている。

この笑顔が、勝負顔か・・・?


平気で、こんなこと言ってくる。


ずいぶん遊んできたのか?

自分に自信でもあるのか?




でも、今の私はコイツに全く興味がない。




「したきゃすれば?」
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