私とあなたのMemory
「そうかな~」

今日の奈々は、妙につっかかってくる。


「あーもう、この話終わり!」

そう言って、トイレに逃げ込む。

「あーまたののかは逃げる~。」


不満そうな声をもらす。



でも、振り向かずトイレに入る。




1時間目の授業は国語。

眠い、眠すぎる。


ってか、イビキが聞こえると思ったら黒木が堂々と寝ている。


先生も、気づいているのにお構いなし。

周りは、クスクス笑ってる。

コイツ、バカだろ。

溜息しかでてこない。



でも、ここまで堂々と寝れる黒木が少しだけ羨ましかった。


いや、ほんとに少しだけ。



馴染んでるコイツを許せないけど
どうしようもできない気持ちで私の心は、いっぱいだった。





なんで、コイツだったんだ。

って、思ったりもした。

黒木自身が起こしてしまった事件とはいえ、
もし、普通のクラスメイトとして知りあっていたら
とても仲のいい友達になっていただろう。


運命か。


途端に、自分の思ってることが馬鹿らしくなってきた。

また黒板に視線を移し、
眠くて、退屈な授業をうけた。


「・・・であって・・・だから・・。」

先生の話す声がだんだん途切れてくる。

「・・・。」


もう、今の私の耳には何も聞こえない。

ただ、心地いい眠りという誘惑が近づいてくるだけ。

私はためらわず、その誘惑に自分から向かっていった。




・・・・おやすみ。


まぶたがおち、意識が遠のく。





・・・。





・・・。







・・・・バンっ!!!




「痛ったぁ~!!」


頭がガンガンする。


「痛いなら、寝るなぁ~!!」


顔をあげる。

そこには、先生のしかめっ面。


え・・・?


ぼんやりしていて、なにがどうなってるのかわからない。


「まだ、寝ボケてんのか!?」


更にもう一発、名簿で私の頭を叩く。

「痛い!!」


あ~やっと、頭がはっきりしてきた。


・・・!?







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