私とあなたのMemory
え・・・ヤバ。

私寝てた?


「廊下に立ってろ~!!」


先生の声が響く。


ビクっとなり、立ち上がる。

すると、もう一人立ち上がった人間がいた。

ゲっ・・・黒木。


「今井も、授業中寝たりするんだね。」



最悪。


また、2人で廊下に立たされたし。


でも、今回ゎ黒木とは1回も喋らず沈黙が続いていた。

黒木は、立ったまま寝ていた。



・・・・。




よく寝れるなぁ。

器用だね。


ぼーっと黒木を見ていた。



キーンコーンカーンコーン


授業終了のチャイムが鳴った。


「あ~終った~」

ぐーっと背伸びをすると、
奈々が教室から出てきた。


「お疲れののか。」


「うん。」


「次、教室移動だよ。」


「行こ。」


教科書とノートを持って、私は教室を後にした。


その時、一瞬黒木の姿が目に入った。

私を、見ている。

目が合った途端、私は視線をそらし少し小走りになった。




「どうしたの?」

後を追いかけてくる奈々。

「あ、なんでもない。」


確かにさっき、黒木が私を見ていた。

なんだろう。

この複雑な気持ち。

なにか、言いたげだったな。



私はひとつ、深く深呼吸をした。


< 69 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop