私とあなたのMemory
はぁ。

なんで聞いちゃったんだ。


玲が泣きだしちゃった時はそうなのかと思ったが、



「そんなこと絶対にない。」


って言いきってたもんな。



玲が浮気なんて、するわけないか。

なのに、オレは疑った。

純粋な玲の心を傷つけたんだ。


自分の部屋の窓から外を見ていたが、
なんにも耐えられず、自分の髪の毛をグシャグシャとかいた。





ボサボサの頭とさえない表情。


こんなこと、誰に言えばいいんだ。


あの日以来、玲とは会っていない。

連絡も一切取らなくなった。




あぁ、このまま玲はオレの事を忘れて
違ういい男見つけて、そいつと幸せにんれればいいな。




どうせ、俺は無責任な男だし。



いつものように、家で寝ていると仁がやってきた。


「お前、玲捨てんのか?」


靴のままズカズカ俺の部屋まで入ってきて言った。


玲がなんだ・・・。

今はその名前、聞きたくない。




「しらねぇよ。」


捨てたつもりは、ない。


でも、これからも玲と一緒にいると断言できない。




「お前、そんな奴だったっけ?」


仁の表情は目をつむっている俺には見えない。

友達をけがし、なのに責任を取らない俺に対して怒りを抑えているのか。

それとも、
あきれ返っているのか。


どのみち、
仁も俺を嫌いになるんだ。



「起きろ!」


仁が俺の腕を掴み、無理やりひっぱった。


「ってーな。」



お前なんだよ。


責任取れとでもいうのかよ。


でも、仁の出した言葉は意外なものだった。


「お前が責任とれないんなら、俺が玲の子供育てる。」



仁は、真っすぐ俺を見ている。


なのに俺は仁からも目をそらした。






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