君が必要とする限り
Ⅱ
―…信用する人間なんていない。自分でさえ、疑うくらいだから。
今日も決まったようにある場所へと向かう。
あと、忘れちゃいけない
“お守り”を持って。
出かけるときに、私はポツリ呟いた。
「行ってくるね。…お父さん。」
言うたびに胸が苦しくなる。
でも、負けない。
こんな胸の痛み、お父さんが受けた苦しみと比べたら、一にも満たない。
そう、絶対に負けちゃいけない…