君が必要とする限り


この人はきっと、
愛されて育ったんだ。


さぼとの苦労も知らず、
ほのぼのと生きてきたんだ。


さっきからのこの人の表情が、
そう物語っている。


幸せだよ。あんたは幸せだよ。






『可哀相な子。こんなに若いのに…』



ふと思い出した言葉に、ゾッとした。


そうだ、私は『可哀相な子』なんだ。


だから、だから…


「では、今日はそろそろ帰りましょうか。
何か、聞いておきたいことはありますか?」



だから、私は…



「…先生は、青空が好きですか?」


「えっ…?」


「私は…どうも好きになれないんです。」




絶対に、諦めない。




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