君が必要とする限り


質問をしているはずなのに
俺が熱心に語ってしまうし、


「いえ、私も同じですから。」
と、逆に慰められるし…


俺はなんでこう、上手く話せないのか。


そういえば大学時代、言われたことがあった。


「川崎くん、堅すぎ〜!もっと肩の力抜きなよ〜。」


堅いって…なんだかわかってきたような気も、する。



暫くすると、彼女は目を伏せてしまった。
何か話そうとしたとき




病室に光が降り注いだ。


窓に目をやると、青空が広がる。

そして子どもたちの笑い声、
病気と闘いながらも、
子どもたちは懸命に生きている。


それは、子どもたちだけではない。
大人も、みんな同じだ。



俺はそんな人々の、手助けになりたい。


そう思いながら、子どもたちに手を振り返した。





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