君が必要とする限り
彼は、待っていたとばかりに私をさらに強く抱き締めて、唇を重ねる。
段々と荒れた息遣いになり
彼は着ていたキャミソールの中に手を忍ばせた。
漏れる甘い声に満足したようで、さらに行為を続ける。
そして彼の手は下に下がり、
さらなる深みへと私たちは進む。
「亜矢子…っ…」
そんなに、気持ちいいんだ。
私の冷えた頭には、
浩樹の声が遠くに聞こえる。
こんな生活、私はいつまで続けるんだろう。
虚しい…寂しい…
でもこうするしか、もう私には無いの。
大学に通ってるなんて、真っ赤な嘘。
身分を偽りながら生きないと、
私はある事を“実行”できないから。
「亜矢子…もう同棲しない?」
「同棲?」
「うん。そのほうがもっと一緒にいられるじゃん。」
そう言って無邪気に笑った。