君が必要とする限り


「彼女はな……数年前の、ある事件に関わっている、かもしれん…」



「事件…?」



「とにかく、彼女のカウンセリングを続けてくれ。
頼んだよ、隆太…。」












久しぶりの友人との再会。
たぶん、2年は会えてなかった。


俺たちは居酒屋で、肩を並べて酒を飲んだ。


疲れた体にスッと染み込む。



「親父さん、意味深だな。」


「だろ?なんか様子おかしいし…よくわからん。」


今隣にいるのは、
渡邊 孝司(ワタナベ タカシ)。
彼は、中学からの親友で
今は新聞記者をしている。



お互い忙しい仲だ。


「にしても隆太、相変わらずかっこいいな。
狙われてたりするんじゃねーの?看護師とかに。」



「なっ、なわけないだろ!
そんな暇無いよ。まだ新米の身なのに。」


「あはは。真面目だね〜、隆太は。」


孝司は面白そうに笑い、
また酒を口に勧めた。




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