君が必要とする限り
アキラは、浩樹の飲み友達。
正直言うと、浩樹よりも体を重ねている気がする。
ジャケットに腕を通し、
アキラに手を引かれながら
表に出た。
ガンガンと頭に鳴り響く音から、静寂な夜の街へと変わる。
夢から醒める。
そんな、感じ。
歩きだすと夜風が身に染みて気持ちがいい。
するとそこに、
若い男の人の2人組の声がした。1人は完全に酔っ払ってる。
「久しぶりなんだしさぁ〜、いいじゃんか〜。
隆太も、もっと頭柔らかくしないと、イケメンなのにモテねーぞぉ?」
「モテなくて結構。ほらっ、行くぞ!」
りゅう…た…隆太?
まさか、まさかね。
先生がこんな場所にいるはずない。
もしそうならば、
絶対にバレたくない。
もう少し、もう少しで
すれ違う。
お願い。
アキラ、何も言わないで……
「なぁ、次どうする?アヤコ…」