君が必要とする限り
「失礼します。」
ノックをするなり、院長室の扉を開けた。
「まぁそこに座りなさい。」
院長は正面にあるソファーへと促した。
俺は言われた通り、腰掛ける。
ギシッと少し鈍い音がした後、
腰を浮かせて再び座り直した。
「最近の調子はどうだ?もう、現場には慣れたか?」
院長はブラインド越しに外を眺めながら言った。
「はい。まだまだですが、子供達とのコミュニケーションもだんだんと取れてきました。
ベテラン看護師には頭が上がりませんが。」
「なるほど。ベテラン看護師ね。」
そう言って院長は苦笑した。
俺もつられて笑った。
「突然なんだが、診てもらいたい患者がいてね。」
「僕に、ですか?」