君が必要とする限り
「心の病…?精神科ってこと?」
「まだはっきりはしないが、私はそう見ている。
本人は心臓が悪いんじゃないかと言っているが、レントゲンや精密検査でも異常は見つかっていない。」
「それが精神的なものから来るケースと考えているんですね?」
「ああ。でも精神科へいきなり送り込むのは本人へのさらなる負担となる。
だから、お前に協力してほしいんだ。
カウンセリングだと思って受けてくれないか?」
親父とは言え、院長という立場から頼まれると、ノーとは言いにくい。
「…わかりました。出来る限りで努力してみます。」
話が終わり、患者の資料を受け取ると、
「隆太。」
と、呼び止められた。