君が必要とする限り
今、孝司の部屋にいる。
正確には、連れて来られた。
今日は研修に行っていて、
病院には行かないぶん
その帰り道に孝司から電話が来た。
今から俺の家に来い、と。
「はい。コーヒー。」
「ああ、ありがとう。」
手に持っていたカップを渡され、顔に湯気がかかる。
うん。良い匂いだ。
それにしても、
「お前の部屋、相変わらず汚いな。」
「まぁな。職業上、殆ど家にいないもんで掃除しなくてな。」
あははと笑って、
俺の隣にドカリと座った。
しばらくの間、
コーヒーを楽しみ、
やがて口を開いた。
「孝司。ここに呼んだのは……