星彩の涙
第一章

滑る

中途半端に溶けた雪が、


このムダな冷気のせいで固まっている。



ちゃんと地に足をつけないと、今にも滑りそうだ。





…高校三年生のこの時期に、この言葉を言えるのも、大したもんだろう。




世間は受験シーズン真っ只中。



俺は、“滑る”という言葉を、何の抵抗もなく使っている。



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