童顔教師の甘い誘い
「ほらっやったらご褒美あげますから。」
「またデート?」
「残念ですが、今日は残業なんで。」
「いや、別に残念じゃねーよ。」
「ま、つべこべ言わずにやってください。」
「はぁ...。」
パチンパチンという、ホッチキスの音と、カリカリと字を書くペンの音だけが理科室に響く。
「そういえばさ、」
「何?独り言?」
「ちげーよ。」
「何?」
「奏って彼氏いましたっけ?」
「いないよ。」
「なんで?」
「めんどくさいから。」
「ふーん。」
「湊は?」
「俺は、まぁモテるんですけど...。」
自分で言ったよ。
「いないんですよ。」
「なんで?」
「なって欲しい子はいるんですけど、なかなかその子が...。」
「振り向いてくれないんだ?」
「こんなにアピールしてるのにね。」
ふーん。
「大変だね。」
「全くですよ。」