ポチ。
友人は、臭いが嫌だとか毛がつくのが嫌だとか言いながらも、そういう役目だったのか、いつもポチを散歩させていた。
なんだかんだと言うけど、ポチのことを可愛いがっていた。
わたしも、時々一緒に散歩に行った。
おそらく、一昨年の夏のことだ。
というのも、ポチの散歩は夕方に行うけれど、そのときはまだ外は明るかったことを記憶しているからである。
わたしは、買ったばかりの黒いミュールを履いて、友人の家に遊びに行っていた。