ポチ。


その間も、がさがさは近付いてきていた。
そして、竹やぶのなかから出てきたのは――――。


中年肥りのおばさん。
手には細いたけのこ。


おばさんはわたしたちの前を駆け抜けると、お墓のほうに隠れた。

……いまさら、無駄だって。

友人の言葉。

これはもう、笑うなと言うほうが無理だった。



結局ポチは、少し先の芝生に寝転んでいたところを捕獲した。


これがたぶん、一番印象に残っている散歩だと思う。


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