いちごキャラメル
「理帆…落ち着いて?」
ぁたしは理帆の肩に触れ、
揺れる理帆の体を支えようとした。
「―触んないで!!」
ぁたしの手は悲しくも
すぐに振り払われた。
「もう、嫌なの。
燐の隣でずっと我慢するのは」
「理帆…」
「ずっとずっと我慢してきた。
手首にできた傷のせいで
夢だったモデルにもなれなくなって」
「え…理帆の夢ってヘアメイクさん
ぢゃなかったの?」
「そんなの嘘に決まってんでしょ?
いまさらモデル目指しても
無駄なんだよ!?」
そうだったんだ…。
ぁたしのせいで理帆の人生
めちゃくちゃにしちゃったんだ。
「それなのに。それなのに。
燐だけが芸能界に入れるなんて
ひどすぎるよ!!」
「ごめん、理帆」
「ごめんで済まされると思ってんの?
ぁたしの人生返してよ!」
ごめん、理帆。
ぁたしにはそれしか言えないんだ。
傷を治すこともできない。
タイムスリップもできない。
たった一つの傷だけで。
理帆の人生狂わせちゃったんだ。
ぁたし、最低だ――