いちごキャラメル



  昨日の分



 取り返してやる。



 そう意気込んだ。



 「燐…?」



 え―――――?



 「理帆…」



 後ろに、理帆がいた。




 先に行っててって言ったのに。



 
 侑貴クンがもういなかったことが




  不幸中の幸い。



 でも…




 「今の人…侑貴クン?」



  見られてたみたい。



 「盗み見ですか?」



 あえての敬語。



 「ごめん。そういうつもりぢゃ…」




 「ただ…気になって。」




 足元を見ながら話す理帆。



 いつも明るい理帆とはまるで別人。



  時刻は8時20分。



 学校に遅刻してしまう



 危険な時間だった。



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