天使が舞い降りた。
「同じ大人として男として、メンバーとして。情けない」
凛は俺の言葉をじっくり聞いて、大きく首を横に振るう。
「私、1人でも大丈夫です。俊介さんにも皆さんにも迷惑かけません」
「凛ちゃん、そうは言うけど…」
ゆっくりと立ち上がった俊介が口を開く。
「俺、裕子とは別れる」
俊介の言葉に俺たちは驚いて、一斉に彼を見る。
「別れるってお前! タクヤのことはっ」
「裕子のこともタクヤのこともきちんとする。勝手だって、無責任だって分かってる。だけど俺はこれからも凛といたい」
「俊…」
学生同士のように純粋で。
だけど周囲を見失うほど暴走する2人の姿を目の前にして、
俺たちはそれ以上何も言えなくなってしまう。