天使が舞い降りた。

「あいつはああ見えて純粋で、それ故にこういう事になった気がする。心から凛ちゃんを愛してるんだよ。…だけど家族は1番大切な存在」

「それってただの男の勝手じゃない」
 
美紀は少し怒ったように俺を見る。

「ねぇ。潤くんも傷ついている1人なんじゃないの?」


美紀の言いたいことはすぐに分かった。

全てを見抜かれているような美紀の目に、俺は思わず俯く。

「いくら頭にきても、いつも冷静な潤くんが手を上げるなんておかしいよ。どうかしてるよ」

「怒りだけじゃないよ。俺は裕子のこと昔から知ってるし、凛ちゃんのことも…」
 
俺はそう言って言葉に詰まる。

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