天使が舞い降りた。

「美紀、凛ちゃんは?」

「…中。お母さんが付き添ってる」
 
美紀は辛そうな顔で病室を指差す。

「お腹の子は?」

「…」
 
静かに首を振る美紀。

俺は足元から何かが崩れるような感覚に襲われる。


「なん、で…」
 



「俊介くんには、山村さんを通してさっき電話で…」

「あいつ、今夜ラジオだよな」

「うん。俊介くん、今すぐ行くって言ってたみたい。だけど山村さんが必死で止めて」


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